あかあしの足跡

自らの目で見た映画を独断と偏見でぶった斬るブログ!たまに映画以外に漫画も

否定と肯定

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2016年 ‧ ドラマ/歴史 ‧ 1時間 50分

ホロコースト肯定派と否定派の法廷での戦いを描いた。実話を元に製作された法廷作品。当時結構な話題になっていたということだが、恥ずかしながら全く、この裁判や出来事を知らなかった。


実話が元となってるということで、訴えた否定側の目論見と戦略と選んだ舞台がイギリスの法廷という部分は面白く。イギリスは訴えられた側が証拠を提示や開示をしなくてはならないルールがあり、普通とは逆の所など、相手の意地の悪さを垣間見えるところはリアルで、否定側のティモシースポールのムカつく演技は見ててイライラさせられたけれども、ある意味この物語のキーマンで、彼の演技は最高でこの作品になくてはならない存在感を醸し出していた。そしてやはり、ホロコーストを題材にしたという事で、ただの法廷作品とは違い、バックボーンの重さが所々で滲み出て感じることが出来る作品で、実際のアウシュヴィッツ等の強制収容所での調査シーンなどはインパクトがあり!その他にも人間ドラマもとても良く、弁護士の先生と主人公の関係などは素敵で、険悪であった2人が法廷を通じ心を通わせ信頼し合う仲になっていく様は見応えがあり良かった。ラストまでハラハラさせられる、なかなか骨太な映画で、鑑賞後は違うお国事情とはいえ、日本も同じような問題をリアルに抱えており、けして他人事ではないものだと、改めて深く考えさせられる作品であった。