あかあしの足跡

自らの目で見た映画を独断と偏見でぶった斬るブログ!たまに映画以外に漫画も

孤狼の血

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2018年・バイオレンス・サスペンス 2時間06分

仁義なき戦いアウトレイジ以来久しぶりに邦画で血が滾るような素晴らしい作品で心震えた。たまにこういった、思いがけない出会いがあるから、面白く邦画もまだまだ捨てたもんじゃないと思える。最近の邦画の中でも"本気と書いてマジ"という名の如くに心意気と熱気がひしひしと画面から役者から製作者側から伝わってくるほど、ピリピリとした昭和の最後の前年と法改正前の当時の様子やにおいがリアルにスリリングかつドラマチックに感じられ、最後まで目が離せなかった。


あらすじは、昭和63年に、暴力団対策法成立以前の広島を舞台に、捜査二課に配属された新人の日岡は、ヤクザとの癒着を噂される刑事・大上とコンビを組むことに!暴力団系列の金融会社社員の失踪事件を追う刑事たちの姿や、暴力団組織間の激しい抗争を描いたバイオレンス作品だ。


和製トレーニングデイの様なストーリーであったったが、自分的には圧倒的にこちらの作品の方が熱量を感じた(日本人だからか?)


出演者も主役級の人達ばかりで、その中でも特に役所広司の演技は兎に角、最初から最後まで圧倒される程に目が離せなく見ものであり、その先輩にいいように振り回され、新人警官の松坂桃李の前半から後半へかけての心境の変化や葛藤する姿や様は素晴らしく。役所広司に振り回され、嫌々相棒をしていた松坂桃李がいつしか、役所広司と同じ様な道筋を歩む光景は特に印象的であり、脇を固める出演者も(江口洋介竹野内豊真木よう子etc.....)主役級だけあり、いい仕事をするする!


テーマも今も昔も変わらないのか(笑)?汚職や臭いものには蓋をという、ヤクザや警察だけでなく現実で政治等にもやはり繋がる様な社会性あるテーマが下地になっていたりと、現代の汚職などを皮肉っているかのような、そのあたりもリアルさを感じ、演出や話のテンポもとてもよく中だるみすることなく熱さとテンションを維持した作品で、見終わった後も余韻がなかなか消えることはなく、極上の人間ドラマとリアリティあるバイオレンス映画であった!!!