あかあしの足跡

自らの目で見た映画を独断と偏見でぶった斬るブログ!たまに映画以外のことも

うなぎ

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1997年 ‧ ドラマ ‧ 1時間 57分

巨匠、今村昌平監督作品を初鑑賞。万引き家族是枝裕和監督がカンヌ国際映画祭で賞を取ったのを機にいずれ観たいと思っていた作品ではあったが、やっと見る事が出来た!


いやぁ、面白かった。今村監督の作品は映画好きなら必ずは見てなきゃ、本当の映画好きとは言えないねと、前に言われた事があったが!恥ずかしながら自分は未鑑賞(苦笑)であったが、うなぎを見てその意味を感じる事が少なからず出来たかもしれず。独特の雰囲気やタッチなどの世界観を持った監督独自の色は、邦画と言うよりかはフランス映画よりに近いものを感じた。


内容は浮気した妻を殺した罪で8年の刑を終え、仮出所してから床屋を開き、黙々と働く主人公・山下(役所広司)。水槽に飼っているうなぎにしか心を開かずであったが、自殺未遂した女性・桂子(清水美砂)と知り合い、共同生活を送るようになってから、次第に何かが変わりはじめていく…。 


物語のテイストは結構、ハチャメチャなのにも関わらず。人間賛歌と時折入るユーモラスな世界観は見ていると気持ちのいい落ち着いた空間に迷い込んだかのようで魅力的であり、周りの住民達もお節介ながらで独特で個性的で濃い人ばかり(笑)


主役の山下を演じた、役所広司は相変わらず独特の演技の上手いこと、そして山下の過去を知る、柄本明との絡みは特にインパクトあり、曲者で邪魔な存在のはずなのに。唯一の理解者であるという設定も面白く兎に角、役所広司柄本明の掛け合いは無茶苦茶なのにも関わらずパワフルで爆笑してしまうほど、物語でも一番の見所であった。


ラブロマンスも悪くなく純愛でヒロインは男の目から見た理想の女性という印象と監督の好みもモロ表れていたかのような感じはこの作品の色と時代を感じるものでもあった(笑)


終始過去の呪縛からもがき苦しむ、山下の姿はタイトルの如しうなぎのようであり、劇中で船大工のおやっさんに言われた「うなぎが旅をするのを知っていますか?赤道まで行って帰ってきて、泥の中で生きるんです。」の言葉を噛み締め前に進んで行くことを決意したシーンは特に印象に残り、新たに再生していく山下を見て、泥という社会でまたもがきながらも懸命に生きようとする。うなぎという名の生き方もそう悪くないと感じた!