あかあしの足跡

自らの目で見た映画を独断と偏見でぶった斬るブログ!たまに映画以外に漫画も

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2018年 サスペンス・ファンタジー 1時間52分
容貌の醜さから人に忌み嫌われてきた累。そんな彼女に、女優であった美しき母親が遺した1本の口紅。その口紅は他者の顔を奪うことが出来るという謎の力を持っていた。累はその力を使い、母と同じ女優の道を歩もうとする

 


漫画が原作で、女優という設定上「ガラスの仮面」のような、どろどろした昼ドラ的な世界観を想像したのだが、想像を超える世界観でびっくらこいた!

 


売れない舞台女優の舞台女優の丹沢ニナ(土屋太鳳)と累(芳根京子)による、キスにより入れ替わる2人2役の演技に最初は戸惑いつつ見ているものの、次第に入れ替わった丹沢ニナの容姿で中身が累役を圧倒的な力量で演じた。土屋太鳳の妖艶たる姿に圧倒されるばかりか!累役の芳根京子の不気味さを醸し出しつつも、次第に偽物が本物を喰らいつくそうとする演技には痺れ、女の執念たる禍々しい感情の交差が更にドロドロと入り交じっていく後半や、累の秘密に触れつつも、物語が一体全体、何処に着地するかも予想だに出来ない盛り上がりを見せ、土屋太鳳の舞台シーンでのダンスは特に印象的で見応えあり、ラストは放心状態になるような感じで見終わったあと暫し呆然とするほど...

 


漫画原作ということで、上映時間内に何とか話を詰め込んだ感はあったものの土屋太鳳と芳根京子の圧倒的、悪魔的演技に助けられた作品と言っても過言ではないほどに卓越していた。あと、演出家の横山裕の役どころはかなり役得で、羨ましくワイと交代して欲しかったほど(笑)まあ、他にもツッコミどころはあったが、野暮なことは控、漫画原作の実写化の中ではかなりよく仕上がった作品ではなかろうか?

ルイの9番目の人生

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2018年 ‧ ミステリー/スリラー ‧ 1時間 48分

怪物はささやくと少し雰囲気が似ており、上半期に話題となった作品。


生まれてからの8年で、8回も大事故を経験したルイ。9歳の誕生日には、断崖絶壁から転落し9度目の悪夢に見舞われ昏睡状態になってしまう。担当医のパスカルはルイを救おうと、秘密を探り始める。


昏睡状態のルイの現在と事故が起きる迄の出来事を振り返りながら同時進行し、謎を紐解いていくといった流れになっており、見ているとミステリーぽさもありつつ、サスペンス要素もありつつ、ダークファンタジー要素もあったりとかなり惑わされる展開で、途中まではどうなるのか分からずいたのだが!劇中のとあるシーンでオチが分かってしまい(汗)途中で見る気が無くなるんじゃないかと思いきや!これが逆にうまいこと転じ客観的に鑑賞する事に成功(笑)なるほど!そういうことね、うんうん、なるほどなるほど!っと普段とは違った視点で鑑賞を楽しむことが出来なかなか新鮮であった。


物語にはルイの怪我=社会的な問題要素も下地にしていたりするメッセージが盛り込まれていたり。美人の女性には気を付けろ的な教訓もあったりとなかなか勉強になる部分も、終盤辺りは胸糞からのゾッとさせられるような鳥肌がたつ展開など、結構、話を詰め込み過ぎた感も否めなく、少し惜しいと思えるところもあり、見た人によっては賛否両論ありうる作品かと、自分的にはそれなりに楽しめたので賛かな?

クワイエット・プレイス

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2018年 ‧ ドラマ/スリラー ‧ 1時間 31分

今までのホラー映画の記録を塗り替え樹立した「IT」に続き新たな記録を樹立したとか結構前から話題となった本作品!


音に反応して襲撃してくる化物に、人類は滅亡の危機にさらされていた。そんな窮地の最中をある家族に焦点を当て生き延びるサバイバルホラー作品。


蓋を開ければ、世界観はM・ナイト・シャマラン監督の「サイン」と似ているような感じがした(オチは全然違うけど)誰かのレビューでも見かけたのだが、人間が囮で、化物が鬼のような"ガチかくれんぼ"的な要素と遊園地のお化け屋敷で急にビッくら!!!(⊃ Д)⊃≡゚ ゚させられるようなホラーというか、ビックリ系で、設定と話もシンプルで見易く脚本の上手さやアイディアが勝利した作品だったとも言える。ラストまで見るとけっこうB級臭がプンプンとしてくるが(笑)それはそれで愛嬌があり楽しめた。


あんまりアレコレ言っちゃうとネタバレになってしまう可能性もある為、実際に自分の目で確認して恐怖体験をして頂きたい。


余談ではあるかもしれないが、劇場で途中で席をたつ人がかなり多く目立った為に、ドタバタと騒音が目立ってて映画に集中とホラー感も半減してしまい物語自体の面白さも半減してしまった。こういった作品に対しての鑑賞者のマナーにももう少し注意してほしいと久しぶりに憤りを感じてしまった🤨

ピーター・ラビット

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2018年 ‧ ファンタジー/アドベンチャー ‧ 1時間 35分

世界一幸せなウサギ・ピーターの隣に、動物嫌いのマグレガーが引っ越して来た。ピーターとマグレガーは自分の生活を守る争いを繰り広げる。


たまーに絵本やお皿なんかに描かれてるのを見かけて認識してるくらいの存在で、実際にどんな話なのかというのは知らなく原作も児童書ということで、心温まる平和的な作品なんだろうと思ってたが、フタを開ければ!


兎VS人間との壮絶なドンパチな仁義なき戦いだったのはある意味、予想を裏切る内容と展開で結構新鮮で笑えて楽しかった。しかも、ガチでピーターラビット組とマグレガー組との抗争で殺し合いをしているのに、隣人でウサギLOVE❤のヒロイン交え間に挟みながら、抗争を繰り広げ傍から見ればある種ユーモラスなのか猟奇的なのかの紙一重の温度差なんかもある意味、味となってて良かった(笑) 


動物達のキャラクターも魅力的で、ピーター一家の三姉妹は特にラブリーで愛らしく。ニワトリの毎朝からず叫ぶ姿と台詞も見ものであったが、やはり1番はピーターラビット組があれやこれやと対抗組織のマグレガー組への報復であろう。


終盤はいきなり路線変更の映画「妹の恋人」のテーマ曲としておなじみの"The Proclaimers の「I'm Gonna Be」"が流れたりなんかして、ラストのは無理くり力まかせのジャーマンスープレックスからの上手くまとめてやったぜ感はかなーり力技ではあったが嫌いではない(笑)

がんばれ!ルーキー

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1993年 ‧ ファンタジー/スポーツ ‧ 1時間 43分

SNSで「がんばれ!ルーキー」のリメイクが決定した記事を見つけ、あまりの懐かしさにレビュー


12歳の少年ヘンリーは腕のケガがきっかけで何故か160キロの豪速球を投げれるようになり!ひょんなことから大ファンでもある。メジャーリーグ・チーム、シカゴ・カブスへスカウトされ史上初の小さな大リーガーとしてマウンドに立つ事になる。


かなーり昔に、友達宅で見て!ありえへん設定と展開とツッコミ万歳にかなり笑った。シカゴ・カブスに憧れるも運動オンチで尚且つ、野球のルールも乏しくただ豪速球が、投げられるという理由だけでスカウトされ入団したヘンリー!正に米国ドリーム🇺🇸🍟🍔😎✨を叶え、子供からしたらたまらなく夢のあるお話。


しかも!スポルツ作品ではほぼテンプレ的な設定でもある。弱小メジャーチームで万年最下位といういかにもな設定(笑)しかも、注目を集めるヘンリーにチームメイトは当初は快く思っていなかったが!野球やスポルツってのは不思議なもので同じく戦争を体験した戦友の如く1戦、1戦又1戦と共に戦う事で理解を深めていく素晴らしいスポルツなのである。


今年こそ最下位を脱出しようとチーム一丸となり、次第にチームメイトでベテラン投手と本当の親子の様な信頼関係になってく様は素晴らしく、最後までハラハラさせられる展開とドラマチックな仕上がりは、流石「ホーム・アローン」での泥棒役を演じただけある。ダニエル・スターン監督であり、本人もコーチ役でちゃっかり出演してたりと(笑)


極上のエンターテインメント娯楽作でファミリーで楽しんで見られるハートウォーミングな作品であり、久しぶりにまた見返したくなった。

寝ても覚めても

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2018年 ‧ ドラマ/ロマンス ‧ 2時間

滅多に邦画の恋愛作品とは無縁なんだが(笑)SNS上でえらい高評価で気になってたので鑑賞!


謎の男・麦(バク)に出会いたちまち恋に落ちた朝子。だが彼はほどなく姿を消す。三年後、東京に引っ越した朝子は、麦に生き写しの男と出会う……そっくりだから好きになったのか? 好きになったから、そっくりに見えるのか? 運命の恋を描いた作品。


普通の恋愛作品かと思ってボケーッっと見てたら!中盤あたりでガツン💥と衝撃くらった(焦)


男性目線と!女性目線で大分意見が別れそうで賛否別れそうな映画かと感じた。かなり前に見た「死ぬまでにしたい10のこと」を連想させられるような気持ちにもさせられ改めて"女"って生き物は怖えぇぇえっっと思った。


主人公の朝子の行動や思考なんかが、特に見てて不気味で、見てて少し不安になるようなリアルな描写が交わったのもあり、いつも無表情で感情を特に出すわけでもなく虚無的な女の形をした人形のように見えて怖かった。展開もまあ、予想は出来たけれども少しづつだがじわじわと、今までに溜まりに溜まった濁った水が今にも溢れ決壊せんとばかりに、一気に流れ出すかのような展開には下手なサスペンスホラーより驚いた!!そんでもってめちゃくそ重く、ラストも唐突過ぎて、返ってホラー感を増すような演出にも感じてしまい、すごく違和感が残ったが、なんかクセにるような珍味的な映画でまた見たくなった(笑)

 


その他は女性歓喜東出昌大を思いっきり堪能できる作品かと?演技も朝ドラん時よりか大分、演技も上手くなってて驚いた!特に演じ分けも別人のようで妙な色気を感じたものだ。

 


恋は盲目っていうけど、のめり込み過ぎるんも度が過ぎるとアカンね!酒は飲んでも呑まれるな的な腹八分目あたりがやっぱり妥当なんだろうなと考えさせてくれた作品であった。

あさがくるまえに

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2017年 ‧ ドラマ ‧ 1時間 44分

交通事故に巻きこまれ、脳死と判定されたシモン。両親に医師からは蘇生の可能性はゼロである事を告げられ、更に心臓の移植を待つ患者の為に臓器の提供を求められるが、その時間の猶予は限られていた。


テーマ的に、命の尊厳について問いかけられるような作品であり「海を飛ぶ夢」とも類似している点が幾つかあったりもするのだが、本作から感じたのはよりリアリティあるドキュメンタリーのような作風のタッチと前半と後半"提供側と享受側"の人物を主軸と視点に描かれており、事故で、脳死状態になった青年と息子の臓器提供を委ねられる遺族。心臓病でドナー提供の心臓を貰って迄と逡巡する女性。2点からの視点は興味深かった。


どちらにも共通する"残された時間"という概念も含め、有無もいわさずに淡々と展開していく移植や事務的なシーンは、無機質ながらにもリアリティある演出と音楽が見事に合致し、これが現実だと思わせられるような感覚に一気に引き込まれた。臓器の手術で青年の両耳にイヤホンで音楽を流す場面と恋人の部屋の窓辺からのシーンは切なく、享受側のシーンとの対比はとても上手く描かれており印象的であった。


遺された者、新たな人生、命をスタートした者。最善の策とは、何が正解で何が間違っているかという問題こそなく、はっきりとしないからこそ難しい問題であり、切なく感じるものである。現実的にいずれ直面する事を感じ取らせてくれ、命の尊厳についても深く考え感じさせられる作品である。