あかあしの足跡

自らの目で見た映画を独断と偏見でぶった斬るブログ!たまに映画以外のことも書く

タクシー運転手 約束は海を越えて

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2018年 ‧ ドラマ/アクション ‧ 2時間 17分

冒頭で"この物語は真実である"と表示され通り。1980年5月。韓国現代史上、最大の悲劇となった光州事件を舞台にドイツ人記者と彼を乗せたタクシー運転手との実話を元にした物語


タクシー運転手演じる、ソン・ガホンのいかにも頼りなく借金ありのダメ親父っぷりは板についており、たまたま儲かる話を聞き、外国人を光州まで乗せるだけで大金が手に入るという甘い考えが災いするとは露知らず(笑)前半はそれこそ運転手と外国人記者のギクシャクしたやり取りで、コミカルに進んで行くが


中盤から雲行きは一気に怪しくなりはじめ、ここから物語は佳境に。80年代はまだ軍の横暴が当たり前のようで一般市民に向かって発砲や市民を反政府運動のテロリストとでっち上げ内部情勢も隠蔽でマスコミもシャットアウトといった状況下で外部に情報を漏洩を許さず、軍が実質実権を握っていて民主化もないような無法地帯、普通に暮らしていただけの学生や市民を虫けらや家畜を扱うかのような場面等は見ていて同じ人間とはいえよくここまで残忍になれるなと改めて人間の醜さと胸糞さを感じさせられた。


当初はお金に目がくらんでるいたタクシー運転手が光州の人達の人間味や優しさに触れ、故郷に残してきた娘を想うシーンはウルっときたもので、1人ソウルに戻る中で葛藤する場面は印象的、逆境に立ち向かう姿は恰も今までダメだった自分を脱却するかのようで後半から終盤にかけては息をつく暇もないほどに激しいカーチェイスありきの緊迫感と絶望感が背中合わせのスリリングさに手には汗がビッチョリ!


ラストまで上手くいくのかハラハラさせられ、最後はベタであったが如何にこの出来事が後の韓国発展への足掛けになったかは計り知れず、タクシー運転手と外国人記者の必然とも言える関係性も物語上でとてもいい味を出しており、イデオロギーを越えた大切な何かを教えてもらった気がした。