あかあしの足跡

自らの目で見た映画を独断と偏見でぶった斬るブログ!たまに映画以外に漫画も

キングダム

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2019年 ‧ アクション/アドベンチャー ‧ 2時間 14分

ヤングジャンプ連載。原泰久原作の歴史ドラマ。中国の春秋戦国時代を舞台に、大将軍を夢見る少年と、中華統一をもくろむ若い王の運命を描いた歴史スペクタル大作!

 

結構前に鑑賞したのだが、色々あって今更ながらのレビュー(汗)

アメトークの「キングダム芸人」で漫画の人気に火が付きアニメに留まらず、各方面で絶大なファンを獲得し累計発行部数は3800万部を超えるといった。もはや国民的漫画と言っても過言ではない人気作品が、遂に実写化となった訳だが、実写と最初に聞いた時はまたかぁ~っとため息が盛れたものだ。

近年、漫画の実写化で上手くいった例は数知れず·····殆どの漫画原作が爆死や原作レイプと呼ばれる昨今、キングダムもきっと失敗に終わるのかと自分の中では感じていた。そして、漫画実写化のお決まり顔になりつつある山崎賢人これはどう考えてもと思っていざ、鑑賞した結果は·····!


「悪くない」である。

しっかりとキングダムの世界を実写で表現出来ており、原作で思い描いていた壮大な中国の大地を舞台に建物やキャストも実写化にありがちなコスプレになっておらず、スクリーンから伝わる奥行きや世界観で悪くなかったかのだ、悪くはなかったかのだが、、、

近年のハリウッド大作や本場中国の大作アクション作品を見てきた身としては、目新しさがあまり無かったのが大きな要因であったと言えよう。だが、近年の邦画や実写化の中では頑張っていた方だとも感じた。

 

キャストに関しても主役の信を演じた山崎賢人も今までの実写化の鬱憤を晴らすかのような演技はなかなかであった。しかしこの物語で一番光ってた印象があり目を惹かれたのは、若き王こと嬴政を演じた吉沢亮ではないだろうか?実写化で違和感がなく見事に嬴政を演じており、あの容姿と立ち振舞で映画を見に来た女子はかなりの確率でハート♡を射抜かれたというレビューを幾つも目にしたほど!そして、我らが男子は多分、2派に別れるであろう、河了貂を演じた橋本環奈派か楊端和演じた長澤まさみ派。自分はやはり山の民の王こと楊端和を演じた長澤まさみにハート♡を射抜かれあの太ももと高圧的で華麗な楊端和に是非とも踏んで下さいとお願いしたくなるほど(笑)物語で大きな役割と今後重要なキャラクターの王騎を演じた大沢たかおは増量したのか逆RIZAPで結果にコミットした存在で全体の中では悪くなかった。

 

肝心のそしてこの映画と肝となっているアクションに関しては、矢継ぎ早にこれでもかと詰め込んだかのような怒涛のアクションの連続に(物語上の展開で仕方ない部分もあるものの)少々胸焼け気味になりそうなのとやはり、どこか緊張感にかける部分とオーバーリアクションをとればという部分も相成って後半1番の見所は間延びしてしまっていたのも残念であった。演出も所々でお涙ちょうだいの邦画の悪い癖やなんかももはやお決まりのなのかと思うほどで、このあたりを強く強調するのも蛇足だったように感じてしまった。

 

物語は原作の序盤も序盤辺りを映画化したと言うことで一段落着いた状態で幕引きとなっており、原作ファンから言わせてもらえればこの次の展開がキングダム史上一番に盛り上がる展開となっているため、この一作品だけで終わってしまうのかという懸念もあったが、公開から現在までの結果は興行的に実写化の中でも辛うじて成功作品という部類に入ったという点で、高確率で続編も有り得るのは確かで、今後も漫画実写化は幾つも続くのを考えた上で少々辛辣になった部分はあるが、原作ファンと実写化の爆死や原作レイプといった悲劇を繰り返させない為にも少し厳しい評価とさせて貰った。是非とも次回作を製作する場合は今作の反省点を生かしうえで今作をいや、今までの邦画を超える本物の邦画作品を創り上げてほしい!

ザ・ファブル

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2019年 ‧ アクション ‧ 2時間 3分

週刊ヤングマガジン連載の南勝久の漫画を実写映画化。天才的な殺し屋が休業し、一般人として生活するさまを描くアクションエンターテイメント!


公開前に予告を見て、こりゃ面白そうだとSNSのアイコンのイラストを描いてしまうくらいに期待していた本作品。公開前に内容も気になって、ネタバレになりうるかもしれないと思いきや、我慢出来ずに原作も全部読破してしまった(笑)


どんな相手だろうと、6秒以内で殺してしまう天才的な殺し屋の腕を持つ通称ファブルこと岡田准一とそのサポート役の木村文乃がボスから1年間普通の暮らしをしろと命令が下され、偽の兄妹としての大阪で暮らしを始めるのだが、お世話になる所が極道経由ということもあり、落ち着いた生活とはままならず次々とトラブルに巻き込まれていくといった内容!


原作読んだ自分としてはキャストに少々違和感を覚える部分は多少はあったもののそれなりに上手くハマった配役だったと思えた。

 

本当ならアクションを1番頑張ってプロ顔負けの動きをした主役に目がいく岡田准一を推したいところなのだが、自分としてはこの映画で1番目を奪われたのは若頭役を演じた安田顕(ヤスケン)のキャラクターであった。原作ではもっとぽっちゃり系で恰幅がいいおっさんのイメージだったのだが、映画版ヤスケンはいぶし銀でそりゃ、渋くてカッコよかった。まあ、自分が仁義なき戦いシリーズ好きってのもあっての評価でボスを演じた佐藤浩市も生々しく裏の顔と言うべき渋さがありこの2人で、新しい仁義なき戦いシリーズを是非とも作ってくれやと思うほどの渋さと大人のカッコ良さを感じさせられた。

 

話は脱線したが、主人公ファブルを演じた岡田准一も負けてはおらず、殺し屋ということで感情が殺されている的な原作とも近い静かーな役柄ながら、街でチンピラに喧嘩を売られプロとしてワザとポコられてはいちいちオーバーリアクションをする顔芸やなんかは見てて、ワイが大好きだった木更津キャッツアイのぶっさんを彷彿とさせるほどで、やっぱり岡田准一はアクションもいいけどコメディも合ってるなと再度認識した。

 

後半はアクションのオンパレードで、プロ顔負けと冒頭で話したが、エンドロールでアクション指導の文字にしっかりと岡田准一という名前があったことをワイは見逃しはしなかった(笑)ほどの1級品だった。

 

しかし、物語やストーリーとしては原作を見ていたのもあってか、映画特有のオリジナル要素が蛇足となって足を引っ張って勿体ないなーと思える節も幾つか見え隠れした。特に原作であった、木村文乃演じる妹がイケメンの男を捕まえる為に繰り広げられる。酒バトルがカットされていたのは残念で仕方がなかった。あのシーンは原作でもベストバウトに選ばれてもおかしくはない戦いだっただけに(笑)

 

だが、全体を通して映画ならではの良さもやはりあり上手くまとまった笑いありアクションありの極上エンターテイメントとなっていたのは確かであった。特にジャッカル富岡の「なんでー俺もやねん」を1度聞くと何日かは脳内でリピートされるほどの出来栄えで、是非とも続編でファブルの活躍をもっと観たくなる作品であった。

スパイダーマン:フォー・フロム・ホーム

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2019年 ‧ ファンタジー/SF ‧ 2時間 9分

アベンジャーズEGで映画史を塗り替えるほどの結末と今後がどうなっていくのだろうかのファンの期待と不安が交差し、モヤモヤした梅雨の不快指数を晴らすかのように公開一作目に選ばれた。


MCUの中でも取り分け明るい印象のあるスパイダーマンを持って来たのは大正解であったと思えるかのような、青春ロードムービーアクション映画と笑える部分とシリアス的な緩急のてんこ盛り娯楽エンターテイメントになっていた。


前作、「ホームカミング」ではアイアンマンとの共闘で師匠と弟子的な関係であったが、今回はピーター自身の成長と、親愛なる隣人から、1人の男として本物のヒーローへの資質を試されるが如くに次々と難関や問題、試練が彼を待ち受ける。そして次代の"子"(new generation)たちへと引き継がれていく意思!


ピーターとMJの初々しく甘酸っぱい!ボーイ・ミーツ・ガールの青春映画としての楽しみもあり、ちょっとドジだけど憎めなく愛されるスパイディの勇姿がギュッと凝縮された作品となっているので是非大画面で堪能してほしいものだ!


そしてエンドロール後も毎度お馴染みのお楽しみがあるので席は終わるまでお立ちにならずに(笑)

新聞記者

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2019・ヒューマンドラマ/サスペンス1時間52分

東京新聞記者・望月衣塑子の著書を原案にした作品で、国家の闇を追う記者と若手エリート官僚を描いたサスペンスドラマ

 

ひと足はやくフィルマークスの試写会で鑑賞。

実際に、現政権への疑問を問われるかの様な作風であり、事実を元にしたという事もあってか、ここ数年幾多にも及び話題になりそして、いつの間にか記憶の片隅やメディアから忘却していた。問題が次から次へと物語を見るうちに掘り起こされ蘇って来た!

 

物語を現実世界で例えるなら、森友、加計(モリカケ問題)を下地に、新聞記者にリークがありそれを追う女性記者と内閣調査で、臭いものには蓋をする的役割を担っている松坂桃李が互いの信念の元、それぞれの正義を貫こうとしたヒューマンドラマでもあり、

 

表と裏的な画面の色使いやカメラワークも印象に残るような、終始明るさはなく薄暗い印象が特徴の作風であったようにも感じた。

 

ハリウッド映画で照らし合わせれば、「ペンタゴン・ペーパーズ」「大統領の陰謀」といった作品と似ているが、問題なのは邦画作品ということだ、ここまで踏み入った世界観は今まで見たことはなく!よく、製作から公開まで踏み切れたなーと関心したほどであり、現政権や国民に対して今こその精神で一石を投じるかのような意味合いが含まれた濃厚で見る側の立ち位置でかなり、意見が割れそうで賛否両論が巻き起こるかのような作品だ。

 

ラスト松坂桃李の表情に見た人含め何を思い、考えるだろうか?今後の日本についた問われている気がした。

嵐電

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2019年 ‧ ドラマ/ラブストーリー ‧ 1時間 54分

京都を走る、通称・嵐電として知られる路面電車京福電気鉄道嵐山線を題材にした3つのオムニバスラブストーリー!現実世界とジブリのようなファンタジー感漂う、少し不思議な世界観が化学反応を起こしたかのようで、見ていて現実かな?幻想かな?っと終始戸惑う場面も多々あるものの、登場する人間模様の過去や現在、嵐電や京都の街並みが折り重なって奏でるアンサンブルに浸れるであろう。役者陣の井浦新はこの作品でいい味を出しており、いつの間にこんな良い役者になったんだと驚いた。ヒロイン的な役を演じた大西礼芳の瑞々しい透き通るような姿は、京都や嵐山の風景に溶け込むのようで印象的であった。見終わった後は嵐電で所々で登場する、コントをする妖怪のような出で立ちの狸と狐の妖怪に化かされたかのようななんとも不思議な気分にさせられた(笑)ストーリー展開や構成なんかは結構、荒々しい部分も目立ち、かなり実験的で見る側に委ねられるような仕上がりになって、賛否分かれそうな作品であった。

よあけの焚き火

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2019年 ‧ ドラマ ‧ 1時間 12分

伝統芸能を受け継ぐ宿命を背負った親子と、家族を失った少女の交流を描いた人間ドラマ。狂言というあまり見慣れない世界と父は先代からの伝統の教えを受け、そして息子は父から新たに伝統を時には厳しく戸惑いながらも、これが私の生きる道と言わんが如くに受け入れ技術を吸収し成長していく様と、親子と言う関係上で表現される狂言と信州の山々に囲まれたまだ雪解けまもない大自然をバックにドキュメンタリーとフィクションを織り交ぜ、受継がれる伝統と歴史、その中で新たに紡いでいくことの大切や親子の関係性を丁寧に描き感じ取れる作品であった。ドキュメンタリーとフィクションという事で、演出やストーリー等は少々おざなりになりかけたりした部分はあったものの、ラストで同じ舞台に立つ親子の姿はとても印象に残るものであった。

さよならくちびる

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2019年 ‧ ドラマ/青春映画 ‧ 1時間 56分
若者たちの青春と恋愛を描いたロードムービー。全国をめぐる解散ツアーを行う女性デュオと、バンドを支える男性の複雑な思いが交錯する。


隣の芝生は青いと言うが、当の本人からしてみれば実は真逆で実はどちらも、抱えている問題や根っこは同じだったなんて事は多々ある。この作品もそれと同じように、自分には足りない部分を身近な相手に求めつつも、自我が邪魔をして素直になれず。わだかまりやボタンのかけ違いみたいな事が積み重なってしまい、解散という名目で仕切り直して一旦区切りを着けようとする、3人の揺れ動く感情を音楽というフィルターを通して徐々に垣間見えていく展開や演出は素晴らしかった。何気ない風景や時折無音で表現される歌詞等や対となる食べ物やタバコといった小道具もいい意味でマッチしていた。そして、歌うことで、土地やファンと触れ合う事で浄化していき憑き物が落ちたかのようなハルレオたちの姿、そして自分たちの心の奥底で本当にやりたかった事、わかっていたけれど素直になれずにいた自分たちを素直に認め受け入れた先に見えた世界とこれからも続いていくであろう現実とのギャップと見終わったあとにすっと染み込んでくるハルレオの歌に暫し身を預けたくなるような、なんとも言えない感情になる作品であった。