あかあしの足跡

自らの目で見た映画を独断と偏見でぶった斬るブログ!たまに映画以外に漫画も

アシュラ

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2017年 ‧ ドラマ/クライム ‧ 2時間 16分

私利私欲に走る市長と、犬として奔走する主人公で悪徳刑事ドギョン。そして市長を立件するためドギョンを利用しようとする検察と、三者の思惑が交錯し壮絶な駆け引きと暴力の嵐が吹き荒れる。


韓国映画版、仁義なき戦い(広島死闘篇)アウトレイジゴッドファーザー的な圧倒的な暴力描写や全員悪党といったノアール作品なのだが、出てくる登場人物の濃いこと濃いこと、特に権力を武器に、暴走する(ファン・ジョンミン)演じる。市長ことパク・ソンべの終始笑顔なのに目だけは絶対に笑っていない表情などの怪演と悪徳非道っぷりは終始圧倒され次第に痛快と思えるほど、それと対する検察演じる(クァク・ドウォン)がこれまた冷静だが残忍で嫌な役人オーラをプンプン撒き散らしこちらもかなり胸糞さで見事。権力と権力の狭間で袋小路に追い詰められていく悪徳警官ドギョンを(チョン・ウソン)がこれまた徹底した最低のクズっぷり清々しいほどに演じ堕ちるところまでまで堕ちてからがまた凄かった!終始見ていて、痛みだけがやけにリアルにズシッと伝わってくるかの緊迫し通しの展開とアクションや特にカーチェイスシーンはアドレナリンが分泌するかのような激しさを放ち、そこから葬式でのドギョンが市長相手に啖呵をきり、コップをガリっとかじるところからスタートする。ラスト40分のクライマックスへと向かっていく怒涛の展開はまさに、血で血を洗うように地獄絵図とかしていく修羅場だらけで最後はタイトルの阿修羅と化す人間達の姿を垣間見た。破滅へ向かう男達の儚さと哀愁を見事に描き、映画としてのクオリティーと突き抜け方、妥協のなさということに関して本当に重く後味が最悪(最高)の作品であった。

哭声/コクソン

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2016年 ‧ ドラマ/ファンタジー ‧ 2時間 36分

平和な田舎の村に得体の知れないよそ者(國村隼)がやってくる。この男について謎めいた噂が広がるにつれて、村人が自身の家族を残虐に殺す事件が多発していくことに


「アシュラ」とセットで見たのだが、コレは違った意味でかなーり衝撃的だった。韓国のコクソンという村で起こった家族の惨殺事件を起に次々と村人が取り憑かれたかのように発狂し惨殺が繰り広げられるといった内容で、驚いた事に「アシュラ」で検察役を演じてたクァク・ドウォンが本作では、主役の警官を演じてて、最初はビビりながらもコミカルに平然を保つも、村人他、ついには自分の愛娘にまで呪いが発症してから、徐々に憔悴し疑心暗鬼になってミイラ取りがミイラになるかのような怪演は素晴らしかった。そして、お祓いをする祈祷師役をこれまた同じ映画繋がりで、市長役を演じたファン・ジョンミンがしれっと出演してたのは面白かったな(笑)そして、厄を運んできたよそ者(日本人)を國村隼が何故か出演しており、セリフは少ないものの静かに佇み見透かしたような表情は不気味で裸で人肉や鹿肉を生で食らいつく演技もこれまたかなりインパクトがあって驚かされた。とにかくラストまで気持ち悪いこと気持ち悪いこと、底なし沼のような絶望感。実態と全体像が掴めない恐怖感や、途中からこの作品は何処に着地するのか予想だにしない錯覚に陥るかのような気持ち悪さはまるでニューロティック・スリラーやミスディレクションのようで、時にはパラレルワールド的なとか色々な考察が出来るシーンや台詞なんかも所々に散りばめられて明確な答えが有るのか無いのか戸惑わせる演出はすごく興味深かく、アシュラ同様に見終わったあとも引きずるであろう、後味が悪い余韻は珍味的要素を含んでおり、かなりクセになりそうで、長野名物の珍味に例えたら(※おたぐり)のような獣くさい作品であった。

※おたぐり

おたぐりは、長野県の伊那谷へ伝わる郷土料理。馬の腸をじっくり煮込んだもので癖が強い

...Wikipedia調べ。

 

ナイトメアー・ビフォア・クリスマス

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1993年 ‧ ファンタジー/ミュージカル ‧ 1時間 16分

喰わず嫌いで手を出す事がなかなか出来なかったが、ついに味わうことに成功!

 

クリスマスに魅せられた“カボチャ大王”こと主人公のジャックが、ハロウィン・タウンでクリスマスを再現しようとするのだが...


ストーリーはシンプルでいかにもファミリー向けという感じではあるのだが、所々にティムの遊び心が散りばめられており、シザーハンズ後に作られてのもあってか、雰囲気というか世界観が繋がってるようで、どこかにエドワードが暮らしてたりなんかも想像できたりするのもファンとしては嬉しくもあり面白く楽しかった。


ミュージカル仕立てのストップモーションアニメは凡そ20年前とは思えないできばえ!ハロウィン・タウンに住む住人もダークで可愛らしく憎めない吸血鬼やオオカミ男から魔女やモンスター(ブギーマンの中身以外は)...etc!


やはり、この手の作品を作らせたら右に出るものはいないピカイチのティム・バートンの世界が爆発したファンタスティックでありクリスマス映画と聞かれれば必ず名前が上がるほど定番の意味も鑑賞してみて、なるほどっと理解できる納得の1本であった。


...その他にもティム・バートン作品でストップモーションアニメは幾つかあり「ティム・バートンのコープスブライト」や「フランケン・ウィニー」もこの機会に是非とも鑑賞してみたいと思った。

アナと雪の女王

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2014年 ‧ ファンタジー/ミュージカル・コメディ ‧ 1時間 49分

言わずとしれた名作。姪っ子が一時すごくハマってたりTVでも放送もしてたりとしたが何だかんだで見逃して、結構ブームが過ぎてからやっと見れた作品なのだが...


テンプレのように大絶賛!素晴らしい!傑作だ!興行収入を樹立!全米が泣いた!見る前の予備知識以前に否応なしにハードル上げられ、絶対にいい作品だとあたかも強迫観念じみたマインドコントロールのような感覚で、期待値を上げすぎて正直拍子抜けであった。

 


しかし、まあ楽しめる作品に仕上がって、レリゴーの歌のシーンは素晴らしすぎて、ついつい感情が高ぶりエルサの境遇と歌の力の相乗効果でホロリとさせられた!そして、通常のディズニー作品ならでわの十八番を壊すかのような、男女愛でなく、姉妹愛をゴール地点としたあたりに、今までになかった新しいアプローチと新たなる風を感じるかのようで、これは女性が好きな世界観というのも、ウケたのも納得であった。

 


突っ込みどころでいえばミュージカルのメリハリをもう少しハッキリしてほしかったのと、後半の王子が極端すぎたせいもあり、終盤で失速したのは勿体なかった。

 


だが、その他は映像美含めて言うことなし200点中突っ込みがマイナス5点くらいの作品だったと言える(笑)あと、気になったのがもし性格の違うエルザとアナが逆の立場だったらアナはあの力をどう使ったりするのだろうとか妄想を掻き立ててくれるほどのエンターテインメント作品であった。

ショーン・オブ・ザ・デッド

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2004年 ‧ ファンタジー/アドベンチャー ‧ 1時間 40分

ゾンビ映画なら必ず名が上がるであろう作品。

恋人に愛想を尽かされた自堕落な男・ショーン。落ち込んで泥酔した彼が翌朝目覚めると、街はゾンビで溢れ返っていたからさー大変!


『ゾンビ』(78)のジョージ・A・ロメロ監督作品のオマージュとそれを下敷きに描いた本作、エドガーライト監督の原題の作品へのリスペクトとゾンビに対する愛とも呼べる想いが伝わってくるほどで、ショーン演じるサイモン・ペッグとその親友で太っちょのニック・フロストのゆる〜い感じがなんとも緊張感を感じさせず、いちいち行動や発言や掛け合いや発想がユーモラスで笑え、それに対しての容赦ないグロ描写もケミストリー(化学反応)になっており映画の魅力にひと役かっていた!前半と後半の緩急のうまさも見事であり、ラストも意外であったがホッコリさせられ、ゾンビ映画ならずとも話題や名が上がるのも納得!そして、この作品を見たロメロ監督が気分を良くして製作した「ランド・オブ・ザ・デッド」ではサイモンペッグと監督のエドガーライトがゾンビ役で出演もしているという、サプライズもあり是非見たいと思った。そして、本作でコンビを組んだサイモンペッグとニックフロストのコンビが活躍する「ホットファズ」もかなり面白くてオススメの1本だ!

フロリダ・プロジェクト

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2018年 ‧ ドラマ/コメディー・1時間 55分

見事なポスター詐欺だが、いい意味で裏切られる作品であった。


ディズニー・ワールドのすぐ外側にある安モーテルで、その日暮らしの生活を送っている。シングルマザーのヘイリーと娘ムーニーに起こる出来事を、リアルに描いた物語


冒頭から流れるポップで80年代風の曲と子供たちのあどけない笑い声と爽やかな色合いの映像が重なり相俟って幸せな雰囲気を醸し出している前半、それを裏切るかのような後半からの容赦なく貧困層を映しだしたリアリティある演出と展開にギャップは否応なく感じさせれ呆然とさせられた。そしてそれを優しく見守るかのようなモーテルの管理人のウィレム・デフォーの静かな演技は映えており、それがより一層切なくも感じさせ恰も観客目線とリンクする部分も監督の計算だったかのようにも(笑)

 

無邪気に悪戯やその日、その日を楽しく過ごす子供たちの姿は、そこで実際に生活している子供を見てるような自然であったが為か、対照的に母親の言動や行動など褒められるものは一切なく人としても最低でどん底のその日暮らしを、周りの人の手助けは当たり前という姿が厄したのか、拍車を掛けるかのように終盤は更にどん底へと転がり堕ち、それに気が付いているようで、見て見ぬふりをする事しか出来ない娘を容赦なく追い込む現実はリアルで見ていて苦しかった。

 

普通の作品ならば、ある種のメッセージ性を伝える為に批判的に誰かを悪者に、誰かを正義として描こうと分かりやすく線引きする図が見えるものだが、この作品にはそれがなく淡々と生活する人達の姿がリアルに映し描かれているだけであったのも印象的でラストも夢と現実の狭間の不思議の国のアリスの国へ迷いこんだアリスのようにも感じさせれ、モヤモヤとさせられエンドロールから聴こえる声にもある種の不気味さを感じさせられた。


見終わった後はリアリストや現実的な目線で作品を見る人にはかなり響く作品になっていたと思え、逆に希望や理想、非現実的を望む考えのロマンチストには賛否ある作品だとも感じた。

グレイテスト・ショーマン

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2018年 ‧ ドラマ/ロマンス ‧ 1時間 46分

冒頭からのシーンはまるで嵐の前の静けさのような雰囲気であり、そこからは一気に嵐が襲い掛かり丸ごと感情を持っていかれ、瞬く間に進むテンポの良い展開とストーリー音楽とミュージカルシーンに心を鷲掴みされるがままであった


映画見て一緒に手拍子したくなったり、テンションが上がるのは久しぶりであった!そして歌とダンスの演出と役者の演技でこうも作品ってのは変わるんだと、練習風景などを映したメイキングを見て出演者の努力には感服した。


一番好きなシーンはバーでバーナムがフィリップを誘うところが最高!BARのマスターらしきおじさんも頑張って必死に合わせてノリノリだったのは笑ってしまったが素晴らしかった!


見終わった後は

スーパーマリオの☆取った無敵状態の

This Is Meヾ(`・ω´・)ゞ状態(意味不明)

となっており映画館を出た瞬間にサントラをポチッた(笑)!