あかあしの足跡

自らの目で見た映画を独断と偏見でぶった斬るブログ!たまに映画以外のことも

フロリダ・プロジェクト

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2018年 ‧ ドラマ/コメディー・1時間 55分

見事なポスター詐欺だが、いい意味で裏切られる作品であった。


ディズニー・ワールドのすぐ外側にある安モーテルで、その日暮らしの生活を送っている。シングルマザーのヘイリーと娘ムーニーに起こる出来事を、リアルに描いた物語


冒頭から流れるポップで80年代風の曲と子供たちのあどけない笑い声と爽やかな色合いの映像が重なり相俟って幸せな雰囲気を醸し出している前半、それを裏切るかのような後半からの容赦なく貧困層を映しだしたリアリティある演出と展開にギャップは否応なく感じさせれ呆然とさせられた。そしてそれを優しく見守るかのようなモーテルの管理人のウィレム・デフォーの静かな演技は映えており、それがより一層切なくも感じさせ恰も観客目線とリンクする部分も監督の計算だったかのようにも(笑)

 

無邪気に悪戯やその日、その日を楽しく過ごす子供たちの姿は、そこで実際に生活している子供を見てるような自然であったが為か、対照的に母親の言動や行動など褒められるものは一切なく人としても最低でどん底のその日暮らしを、周りの人の手助けは当たり前という姿が厄したのか、拍車を掛けるかのように終盤は更にどん底へと転がり堕ち、それに気が付いているようで、見て見ぬふりをする事しか出来ない娘を容赦なく追い込む現実はリアルで見ていて苦しかった。

 

普通の作品ならば、ある種のメッセージ性を伝える為に批判的に誰かを悪者に、誰かを正義として描こうと分かりやすく線引きする図が見えるものだが、この作品にはそれがなく淡々と生活する人達の姿がリアルに映し描かれているだけであったのも印象的でラストも夢と現実の狭間の不思議の国のアリスの国へ迷いこんだアリスのようにも感じさせれ、モヤモヤとさせられエンドロールから聴こえる声にもある種の不気味さを感じさせられた。


見終わった後はリアリストや現実的な目線で作品を見る人にはかなり響く作品になっていたと思え、逆に希望や理想、非現実的を望む考えのロマンチストには賛否ある作品だとも感じた。