タクシードライバー
1976年 ‧ ミステリー/クライム ‧ 1時間 54分
JOKERを見る前にオススメしたい映画5作品!
3作目にオススメ観たのは
言わずと知れた、映画史の中でも名作と言われる作品であり、JOKERは本作と「キング・オブ・コメディ」のマーティン・スコセッシ監督の影響を色濃く受け継ぎ、特にロバート・デニーロ演じるベトナム戦争からの帰還兵トラヴィスの混沌を描いた点と大道芸人から社会の中で埋没していく孤独な男の絶望の果てなる姿は重なる部分が数多く見て取れモヒカンがタクシードライバーなら、メイクはJOKERという点も似ていた。
さて、肝心の本作。最初見た時は理解不能で何が名作だと頭の中に「?」マークが浮かんだが、何年か経ちそれなりに映画を味わってきた後に再度見るやその衝撃たるや!哀愁漂う70年代の風景と音楽と社会情勢を背景に、ベトナム戦争の帰還兵トラヴィスをロバート・デ・ニーロ演じる青年トラヴィスに焦点が置かれ描かれていくのだが、兎に角デニーロの演技の凄いこと、自分の中では完全にゴッドファーザーのデニーロを超えていた。葛藤と孤独、煌びやかに見えるNYの街並みに隠れた闇に足掻こうとしもがき苦しむそのまなざしと変貌していく狂気に満ちた若者の姿を見事に体現しており、正義感とプライドの狭間の末に自ら盲信し暴力と破滅へと向かう姿は狂気に満ちどこか美しく滑稽で哀愁を感じさせられた。
ラストは夢なのか?現実なのかとも取れる解釈もできる見事な仕上がりと、売春婦で主演していた子役時代のジョディ・フォスターは印象的で至極の1本であり名作たる所以も納得の作品である。