あかあしの足跡

自らの目で見た映画を独断と偏見でぶった斬るブログ!たまに映画以外に漫画も

ファースト・マン

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2018年 ‧ ドラマ/SF ‧ 2時間 21分

人類の夢であり、未来を切り開いた月面着陸計画、 史上最も危険なミッションを成功に導いた アポロ11号船長アームストロングの視点で壮大なスケールで描く


今年の上半期にアクアマンとセットで劇場でみたのだが、疲れと劇中でのエンジン音と必要最低限の台詞がメインとなっていた為、途中で寝落ちしてしまいレビューももう一回観るまでは書けないでいたけど、改めて観て俺は何て勿体ない事をと後悔した。。。


今でこそ華やかなイメージのある宇宙飛行士という職業だが、当時の宇宙飛行士がここまで命の危険と隣り合わせだったのを劇中で観て、考えが180度一変した。


主人公ニール(ニール・アームストロング)という、人類で初めて月面に降り立った人物像もこの作品を観るまでは優秀な人というイメージしかなかったが、劇中冒頭から愛する娘を亡くしたことで彼の中の何かが壊れ、それを引きずるかのようにパイロットから宇宙飛行士への道とジェニム計画で同じ釜の飯を食べ家族同然の仲間達の度重なる死を目の当たりにしたシーンなどは悲痛としか言い表せなく、夢を運ぶ筈の宇宙船が恰も、死を待つ棺桶のようにさえ見えてきたのには、きっと当時の彼らからしたら地獄でしかなかったはずだ。


ソ連との宇宙抗争では一歩リードされ国を挙げての計画も、それとは不釣り合いな貧困層や社会情勢も相成り、国民の怒りも左右さられる中で窮地に立たされるNASA、それを担うかのように生気を失いかけていたニールの決断も半ば自棄っぱちの様にも見えた矢先に怒りを露わにした奥さんの存在はかなり大きく!残されていった宇宙飛行士の家族、そして今度は自分たちの番になるのではと、家族との会話で息子との特に長男とのやり取りはするシーンにはグッときた!


アポロ11号へと上船するシーンでは死刑囚が断頭台に上がるかの様な恐怖に駆られるかの様な演出で、観てるこちらからしてもかなりビビり、ドキドキさせられた。月に降り立ったシーンでのニールの余りにも有名な言葉「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である。 」という言葉とそこから見渡した地球の姿とニールの想いは特に印象的で、観終わった後には幾度の紆余曲折を経て最後までどうなるかわからないという状況に果敢に挑戦してきたニールや彼らに改めて拍手を贈りたくなる様な壮大なスケールの作品である。


特に人間ドラマと、必要最低限の台詞、視点などもよりリアルさを感じられ、ノーラン監督のインターステラーとも似たような世界観も感じさせられた。見る人によっては退屈かもしれないが、自分的にはかなり好きな部類であったため、劇場で寝落ちしたのは悔しかった!