ウィンドリバー
2018年 ‧ ドラマ/ミステリー ‧ 1時間 50分
予告とSNSでの評価を参考にこれはどうしても劇場で見なくてはと思った作品。
米国ネイティブアメリカンの保留地“ウインド・リバー”で発見された少女の凍死体。捜査を行う新人捜査官ジェーンは、遺体の第一発見者で地元のベテランハンターのコリーと組み、この地で未だ起きている信じがたい事実を目の当たりにすることとなっていく
冒頭、女の子が暗闇の雪の中で息絶えるシーンで早々に重く苦しく感じたが、こんなのは序の口で甘かった。真実を追うごとに更に重苦しく陰鬱で不快で圧倒的なカタルシスに襲われるクライムサスペンスでもあり、
テーマと下地には過去、米国人から土地を奪われ保留地に追いやられた先住民族の問題やその土地に住む人達でしか分からない環境下での現実を厳しさ等を、事実を基に製作されただけあり、その部分を踏まえてもかなり重いテーマが更にのしかかってくるが、そのへんを曖昧にせずに確りと丁寧に描いた監督や脚本、制作側の意欲が深々と伝わってくるようでとても興味深く、この作品が監督一作目とは俄に信じ難いほど、この重さがこの物語の芯や核になっているのかとも感じた。特に「ここには運などない、生き延びるか、諦めるかだ。」という劇中のある場面のセリフは胸に響くほど衝撃であった。
人間ドラマから先住民の米国旗を逆さまに掲げ敵意を表す細かな部分まで見て取れる拘りや潜入シーンから緊迫感ある一触即発のシーンも息を殺すかのようで、銃撃戦は本当、圧倒戯れるくらいに凄く終始ハラハラさせられっぱなしで、息が詰まりそうになるもそこを助けてくれたのは、
主演でコンビのジェレミー・レナーとエリザベス・オルセン。MCU繋がりで見てて最初は違和感があったが、逆にこの2人であったからこそ、ホッとさせてくれる安心感的なものを感じた。特にホークアイのジェレミー・レナーの安心感たるや(笑)
前評判良くハードル上げて見たが!ガチ重くてしんどい作品でかなりの良作!緊張感ある世界観は今年でいえば「スリー・ビルボード」「デトロイト」に並ぶほど、見終わった後の疲労(笑)と余韻とカタルシスは凄かった。