あかあしの足跡

自らの目で見た映画を独断と偏見でぶった斬るブログ!たまに映画以外に漫画も

こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話

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2018年 ‧ ドラマ/コメディ ‧ 2時間 1分

続・劇場で見逃したよこんちくしょう!シリーズ

コチラも見よう見ようとして結局見れずでやっと鑑賞。


いやーこれ本当に実話なのかという位に、どんでん返しの連続で面白かった。特に主人公で身体の不自由な鹿野こと大泉洋だからこその素も混じったかのような憎たらしい演技も際立ってて冒頭から、むかっ腹と何様なんだと思うようなキャラクターなのだが、話が進むつれ結構早い段階で好印象に捉える方向に変わったのと身体障害者の苦労やなんかも鹿間という人間性で重くならず、クスッと笑えるユーモアが含まれていたり、ハンデをものともしないがボランティアの力無くしては生きては行けないというアンバランスさと甘える事も必要という割り切った考え、でもそこにちゃんとボランティアや両親の感謝を忘れないところや、生き抜く為に一日一日が命懸けという部分は心に響いた。


ヒロインの高畑充希との掛け合いや次第に信頼関係を深めていくところも自然と描かれており、部屋を掃除中AVビデオをみつけた下りは生々しかったな(笑)その他にもボランティアで鹿野を支えてくれる人達との信頼関係で久しぶりに萩原直人を見たけど、いい感じの渋い役者さんにもなってて相変わらずの優しくていい演技する姿を見れたのも良かった。両親との関係も負担を減らす為に考え抜いた末に生き延びる為の口実だと分かった時は泣いてしまった。


生きたい様に生きられない現代社会で苦しむ人が多い昨今の中で鹿野という人間の姿は一見すれば我儘だと叩かれるかもしれないが、自分なりにどう生きるのかは、やはり自分で決めるしかなく我儘でも素直に真っ直ぐに生きることの大切さを生きるヒントをくれるかのようで、彼が何故ここまで愛されたのかも納得出来る気がした。


ここ最近のお涙頂戴系の多い邦画だが、この作品は健常者の独りよがりみたいな内容となってないことも大きく笑いあり涙あり大泉洋に関しては当たり役で久しぶりにいい作品と出会えたと感じた。そして、劇場で見逃した為にこんちくしょう!と叫んだことはいわなずもがな·····

 

でも、タイトルのあとの「愛しき実話」という部分はどの邦画タイトルでも後付で付けられてるっぽくて、正直いつも蛇足だと感じる。

ハンターキラー 潜航せよ

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2018年 ‧ ドラマ/スリラー ‧ 2時間 1分

今年劇場で見逃したよ!こんちくしょうシリーズ(不定期)

やっとみれた。潜水艦物はあんまり食わず嫌いで見れてない方だったのだが、面白いじゃないか!


ロシア近海で消息を絶ったアメリカ海軍原子力潜水艦の捜索に向かった潜水艦の運命を描いている今作。


最近では少し落ち目でB級映画スターと言われるジェラルド・バトラーを艦長にロシアを相手取った深海での戦闘シーンや人間ドラマや追い詰められる緊迫感で見ているこちらも息を潜めてしまうほど、そして深海と並行して陸上での敵地への上陸作戦を行うネイビーシールズ特殊部隊の戦闘やアクションも見応え充分で特に、この作品に登場する。艦長や敵艦隊の艦長、ネイビーシールズの隊長といったどこか懐かしさを漂わす90年代の雰囲気を醸し出していて男気あるいいキャラをしていた!展開や結末的には少し読めてしまう部分はあり、傑作とはいかなきもののポップコーンムービーとしてはそれなりに面白く、劇場の大画面で観ていたらばもっと評価は跳ね上がっていたに違いない作品で観れなかった悔しさに思わず···こんちくしょう!と叫びたくなった。


それにしてもゲイリーオールドマンの無駄遣いだけはないだろうっと、最後にツッコミだけは入れさせてほしい(笑)

イラストー!トラック野郎 星桃次郎

いやー休みだったけど、妙に目が冴えてしまい、こんな変な(深夜2時)時間に衝動的に描いて塗ってみた!念願で大好きな映画「トラック野郎」の主人公、星桃次郎こと文太さん!まだまだ感じは出せてないけど、これを機に70年代の名優たちを描いてくぞー!

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女囚さそり 第41雑居房

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1972年 ‧ スリラー/アクション ‧ 1時間 34分

さそりシリーズ第2弾!ナミは女囚のボス・大塚たちと隙を突いて脱走を計画。看守たちに追われながら、やがて女囚たちは観光バスを乗っ取り、包囲網を突破しようとするが…。


前作で見事復讐を果たすも捕まり刑務所で他の囚人から隔離され必要以上に看守達からの罰を受けるナミ、今回はほぼ台詞なしで全体を通しても2言3言位であるにも関わらず、相変わらずの眼光の鋭さと存在感は健在であった。前作の敵は元恋人の悪徳刑事に対して今回は、前作でかなり煮え湯を飲まされ続けた刑務所長や看守たちである!前作がかなり濃かったテイストに対して若干マイルドになっており、脱獄犯7人の女囚グループの犯した罪を稲川淳二の怪談の様に読み上げるおどろおどろい罪の数々を聞くと、ナミの犯した罪がなんだか軽く感じられる程の衝撃、特にリーダー役の白石加代子の狂気に充ちた演技はラストまで凄まじく強烈で、完全に梶芽衣子が食われてた感は半端なかった!そして、冒頭でナミを襲った看守への復習で裸に丸太を股間にぶっ刺し無残に殺された姿にはなんで、そうなんるんだよ!っと笑ってしまった。最後まで続く逃亡と権力との戦いと、ラストゴミ島からビルを眺める梶芽衣子の姿は美しかった!

 

女囚701号さそり

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1972年 ‧ スリラー/ドラマ ‧ 1時間 27分

ワンハリからタランティーノ関連。会社の人からタランティーノが影響を受けた邦画作品を教えてもらい鑑賞!女囚さそりが体験する女子刑務所の凄まじい争いを描いた問題作!梶芽衣子の名を一躍広めたさそりシリーズ第1弾。


濃い、濃すぎる。これは確かにタランティーノが好きだと一目で分かる過激さ脱走、独房、強制労働、リンチ、暴動、復讐。濃密で色んな要素が入り組んでおり、特に冒頭のオープニングの女囚たちが全裸で看守の前を通って行くシーンと看守の欲望剥き出しの表情で見世物小屋的な演出には驚いた!時代背景や当時の社会性でまだ、男性側目線の強かった時代背景と原作もあってか、かなり女性蔑視的な部分も強く感じたが、それをものともせず耐え抜き凛として常に平常心と冷静さ、復習の怨念とかしたナミを演じた梶芽衣子の姿には常に圧倒され迫真の演技にこんな凄い女優さんがいたのを知らなかった自分を恥じたほどの存在感には殺られてもいいやと思ってしまった(笑)キル・ビルのサントラにも入っている『怨み節』も本人が歌っており聴き入ってしまった。


内容や所々のシーンでチープさや、それはオカシイだろ!?的な部分もこの作品の味としてはマッチしており、ワンハリで見たタランティーノのリアルを超えるフィクション的な流儀にも通じるものを感じた。エロとバイオレンスが融合し、そして、梶芽衣子という存在と70年代の邦画の世界観が自分は好きなんだと改めて再確認出来た!ある意味特別な作品であり。見る人、特に女性は見てて抵抗ある作品かもしれない!あと、カイジの地下労働もこれ見て作者が描いたんじゃないかという色々な発見も出来るエンターテインメント作品である。

イラストー!今月のアイコン

基本はその月に公開される映画のアイコンにしてるのですが、今月は映画JOKERへの期待値が半端なかったので思わずこの作品にしました。もっと往年の邦画の文太さんや高倉健さんといった映画シリーズのイラストも描きたい衝動もありつつもリアルがまだまだ落ち着いてないので今年中には着手出来たらと!

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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド

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2019年 ‧ ドラマ/スリラー ‧ 2時間 40分

8月のアイコンにしていた今作。タランティーノ監督久しぶりの作品と共演者が、ブラピとレオの共演という事で製作発表の時から期待していた!


1969年のロサンゼルスを舞台に、ハリウッド黄金時代をタランティーノ監督の視点で描いている今作。西部劇のドラマで人気を得るも俳優として生き抜くことに精神をすり減らし、情緒不安定なリックことレオ、それとは対照的にそのアシスト件スタントマンでいつも自分らしさと平常心を失わないクリフことブラピ。いやー2人のやり取りや仕草、リックの憎めなさやなんかは凄く共感し、ブラピの熟年度が増した大人の演技とお互いを支えて合いながらも干渉し合わないスタンスとバランス関係の良さは素晴らしかった!


題材として60年代のハリウッド黄金期に実際に起きたシャロン・テート事件をモチーフになっているのも興味深く(Twitterで見に行く前にアドバイスをくれたうーきゃんさんありがとうございます。)勿論、この事件を知らなくても楽しめるのだが、事前情報として入れておくだけでも、より深くこの作品のテーマとなっているの部分とタランティーノのメッセージを感じ取れるはずだ。


テーマとしてもこの事件を気にこの映画でも出てくるヒッピー文化や「アメリカン・ニューシネマ」が台頭し、ハリウッドが変革を迎えた時代でもあった事に対するメッセージ性が色濃く現れており、それを表すかの様に主人公の2人が時代の流れと共に彼らを必要とはしなくなっていくのは何処か寂しくも名残惜しい感じがした。


そして、タランティーノといえば十八番のバイオレンス系を得意とする監督としても有名であり!今作は前半は大人しいなぁ~と思いつつ、ラストに掛けての痛快劇ははい!ヤッパリ出ました。待ってましたと言わんがばかりのスカッとさにニヤニヤが止まらなかった。そして、レオとブラプの男心を擽らされる友情はとても良く、最後まで気持ちのいい映画を観れた気がして、全体にも緩急の付けかたからバランスまでとても良く流石、タランティーノ監督であり映画好きにはたまらない作品だったと言えよう

 

そして、映画館を出た後に感化されブラピやレオになり切った様に煙草に火をつけカッコ付けている自分がいた(笑)